RSUの株、売ったら取得費はいくら?
何回にも分けて受け取った株の、平均取得単価(円)と譲渡所得チェック
この画面は、入れた過去の取引を、国税庁が公表している算式に当てはめて整理した目安です。国税庁の文が見当たらない所は、この道具の置き方で計算しています(下に一覧があります)。相場の予測でも投資の助言でもありません。申告書の作成や個別の判断はしません。個別の判断は税務署・税理士へ。
同じ銘柄を何回かに分けて取得し、その一部を売った時の取得費は、売る時点の平均(1株あたりの金額)で計算します。受け取った行と売った行を入れると、日付順に並べ直して計算します。直近に受け取った回の株価だけで出した取得費とは、同じ数字にならないことがあります。
見本は、3回受け取って1回売った場合の作った数字です(実在の株価・為替ではありません)。
① 受け取った株(その銘柄の分を、最初の回から)
- 受け取った回ごとに1行です。売った年の分だけでなく、最初に受け取った回からの分を入れます(平均は年で区切らず、最初に取得した時から続けて計算します)。
- 受け取った後に株式分割があった銘柄は、この道具では計算できません(分割の時の決まりを確かめていません)。分割の前と後の数字をそのまま入れると、平均が合いません。
- 円の額は2通りで入れられます。勤め先の書類に、その回の課税された円の額がある人は「この回の円の合計額」に、その行に入れた株数ぶんの額を入れます(時価とレートは空のままでかまいません。両方入れた時は、円の合計額を使います)。無い人は「1株の時価」と「円のレート」を入れます。この道具の置き方として、受け取った時に給与として課税された計算と同じ数字で入れる形にしています。
税金のために、会社や証券会社が株の一部を売った・差し引いた人へ
- ①に入れる株数の数え方で、結果が変わります。どちらで数えるかを書いた国税庁の文は、確かめた範囲では見当たりませんでした。この道具は、どちらが正しいかを決めません。
- この道具での入れ方です。勤め先の書類(給与として課税された株数や額が分かるもの)に合わせます。確定した全部の株数が課税されていて、その一部が税金のために売られた時は、①に全部の株数を入れ、売られた分を、売られた時の明細の値とレートで②にも入れます。手元に入った株数だけが課税されている時は、①に手元に入った株数だけを入れます。「この回の円の合計額」を使う時は、①に入れた株数ぶんの額にそろえます(株数は手元の分、額は全部の分、のように混ぜると、結果が合いません)。
- 全部の株数が課税されているのに、売られずに差し引かれただけの時(売った明細が無い時)の入れ方は、この道具は決めていません。書類で分からない時もふくめて、勤め先・税務署・税理士に確かめてください。
② 売った行
- 「1株の売値」は、合計の額ではなく1株あたりの額です。「円のレート」は、1外貨が何円か(1ドル=150円なら 150)です。
- 売った額は、原則として、約定日の TTB(対顧客直物電信買相場=外貨を円に替える時のレート)で円に直します(措置法通達 37の10・37の11共-6)。通達は「支払をする者の主要取引金融機関」のレート(支払をする者が TTB を公表していれば、その者のレート)と書いています。海外の証券会社の口座で売った時にどこのレートを使うかは、下の「この道具の置き方」へ。
- 手数料は、円に直した額を整数で入れます(無ければ空欄)。
入れた数字は、このブラウザの中だけで計算します。保存も送信もしません。ページを閉じると消えます。
①に受け取った行を、②に売った行を入れると、ここに計算が出ます。
この道具が見ないもの・決めていないこと
- 受け取った時の給与所得の税額、外国税額控除、国外財産調書は見ません。確定申告が要るかどうかも判定しません。
- 株式分割: 分割の時の決まりを確かめていないので、この道具は扱いません。
- 同じ銘柄を ESPP や自分の買い注文でも持っている人: 国税庁 No.1466 は「種類および銘柄の異なるごとに区分して」計算すると書いています。制度や口座で分けると書いた文は、確かめた範囲では見当たらなかったので、この道具は、入れた行をまとめて平均します。国内の証券会社の特定口座にも同じ銘柄がある時の計算は、確かめていません。
- 同じ銘柄について、収入金額の「100分の5に相当する金額」を取得費として計算している時は、これを認めて差し支えないとする通達があります(措置法通達 37の10・37の11共-13)。この道具は、入れた行から計算する方だけを出します。
- ストックオプションの行使で取得した株など、RSU 以外の受け取り方の株は、確かめていません。
- ESPP(割引で買う制度)で買った株の1株の額: ESPP を名指しした国税庁の文は、確かめた範囲では見当たりませんでした。払った額で入れるか、買った日の時価で入れるかは、この道具は決めていません。税務署・税理士に確かめてください(政令の枠は、次の行)。
- 政令の枠は2つです。発行法人から与えられた、譲渡の制限その他特別の条件が付いた、有利な金額で株を取得する権利を行使して取得した株は、払込みの期日(期間の定めがある時は払込みをした日)の価額(所得税法施行令109条1項3号・84条3項)。それに当たらない金銭の払込みで取得した株は、払込みをした金銭の額に、取得のための費用を足した額(同1号)。有利な金額かどうかは、払い込む額を決める日の株の価額との差が「おおむね10%相当額以上」かどうかで判定するとされています(所得税基本通達 23〜35共-7)。
この道具の置き方(国税庁の文が見当たらなかった所)
- 円に直した額(株数 × 外貨の額 × レート)の1円未満は、切り捨てています。
- 同じ日に受け取りと売りがある時は、受け取りを先に数えています。
- 株数に小数がある時、単価 × 株数の1円未満は切り捨てています。
- 受け取った行の時価とレート(または円の合計額)は、給与として課税された計算と同じ数字で入れる形にしています。そろえることを書いた国税庁の文は、確かめた範囲では見当たりませんでした。
- 受け取った日のレートの種類は決めていません。RSU を名指しした文は見当たらず、近い文は向きが分かれます。国税庁の確定申告書等作成コーナー(令和7年分)は、外貨建てのストックオプションなどの給与の額を、権利行使時の「電信売買相場の仲値(TTM)」で円に直して入れるよう案内しています(RSU を名指しした案内ではありません)。措置法通達 37の10・37の11共-6 は「取得の対価の額の邦貨換算については、対顧客直物電信売相場により」と書いています(対価を払わない RSU に当たるかを書いた文は見当たりませんでした)。
- 受け取った日の1株の時価を、証券会社の明細の額にするか、その日の終値にするかも決めていません。
- 海外の証券会社の口座で売った時に、どこの TTB を使うかを書いた文、外貨で払った手数料を円に直す決まりを名指しした文は、確かめた範囲では見当たりませんでした。この道具は、入れたレートと円の額をそのまま使います。
- レートが無い日(休日など): 所得税基本通達 57の3-2 の注は「同日前の最も近い日の為替相場による。」と書いています。措置法通達 共-6 には同じ注がありません。
もとになっている決まり
- 平均の出し方: 「同一銘柄の株式等を2回以上にわたって購入し、その株式等の一部を譲渡した場合の取得費は、総平均法に準ずる方法によって求めた1単位当たりの金額を基に計算します。」(国税庁 No.1466・令和8年4月1日現在法令等)。国税庁のページは「購入」と書いていますが、法律と政令の言葉は「取得」です(所得税法48条3項・所得税法施行令118条1項)。RSU を名指しした文は、確かめた範囲では見当たりませんでした。
- 端数: 1単位当たりの金額に1円未満の端数がある時は「原則として、その端数を切り上げるものとする。」(措置法通達 37の10・37の11共-14)。
- 売った後に持ち越す額: 国税庁 No.1466 の具体例は、次の売却の計算に「815円×4,000株(X1年9月に売却後の残株数)」と、切り上げた単価 × 残った株数を入れています。この道具も同じ形で持ち越します。
- 売った額の円への直し方: 原則として、約定日の「対顧客直物電信買相場により邦貨に換算した金額による。」(措置法通達 37の10・37の11共-6)。
- 持っていた間の為替の差: 外国株式を外貨建てで売った場合について、国税庁の質疑応答事例は「為替差損益を雑所得として区分する必要はありません。」と答えています(令和7年8月1日現在)。売った代金の外貨をそのまま持ち、後で円に替えた時の差は別の話で、この道具は確かめていません。
- 税率: 国税庁 No.1463 の表は、上場株式等の譲渡益を「20%(所得税15%、住民税5%)」とし、表の下の注は、復興特別所得税を基準所得税額に「2.1パーセント」と書いています。15.315% と、合わせた 20.315% は、この道具の掛け算と足し算です。
税務署・税理士に確かめる時に持っていくもの
- 受け取った回ごとの書類(日付・株数・給与として課税された額が分かるもの)と、売った時の取引の明細。
- この画面の「計算の途中の表」を写したもの(行ごとに、どの数字とレートで円に直したかが分かります)。迷った所は、入れた形のまま見せて確かめます。